2018年10月08日

pee?




 久し振りに外来診療英会話をして、やっぱりへこんでしまった。
 若い男性、アメリカはテキサス州出身。
 日本人の彼女さんと一緒にご来院。
 夕方になって熱が出たとのこと。

 来日して2ヶ月程度だそうで、先方の日本語もワタクシの英語もほぼ同等。
 彼女さんがいなかったら一苦労だったろう。

 今回困ったのは、「おしっこするときに痛みはないですか?」という質問。
 尿路感染=urinary tract infection, UTIというのは通じるものの(UTIで一般人でもわかるみたい)、「おしっこする」というフレーズが出てこない。
 彼女さんに通訳をお願いしたところ、”Do you feel pain when you have a pee?"ってな質問が飛んでいった。
 pee?
 peeでいいの?

 風邪の症状はなく、頻尿はないけど両鼠径に明らかな圧痛があって、可能性があるとすれば風邪よりも尿路感染だよね、ということで抗菌薬と解熱薬(acetoaminophenだと通じないけど、彼女さんのTylenolは通じた)を処方して様子を見ることになった。

 Have a pee, もしくはgo to a peeで「おしっこに行く」ということでいいみたい。
 今日の学びは、おしっこに行く、と、カロナール=tylenol、だった。

 尿路感染ということで、sexual transmitted diseaseの可能性も考えた。
 実際、5年前には同年代でそんな外国人患者もやってきた。
 念のため彼女さんを外に出したあと、
 「彼女さん以外と性交渉してない?」
と聞いたら、
 「3年間彼女一筋。結婚しようと思ってます」
とのこと。
 思わず2回も握手してしまった。
 んでもって、
 「彼はあなたと結婚したいみたいだよ」
とソッコーでチクッてしまった。
 Go for it !  

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2017年12月26日

おもてなし英語診療回顧録20170714



 今回の主役は、タジキスタン語しか話さない20代の女性患者さんと、タジキスタン語と英語しか話さない付き添いの男性。
 付き添いの方は"She is my X-wife."とおっしゃっていたので、元奥さまらしい。
 患者さんも付き添いの方も、眉目秀麗だった。

 まずはこれだけ、タジク語で
 こんにちは=アッサロム・アレイクム
 ありがとう=ラフマト
 さようなら=ハイル

 近所の国立病院機構の病院で診療を断られた、とのこと。
 「あっちの病院に行ってみてもらえ」と言われて、当院にお越しになった。
 本人はタジキスタン出身の若い女性で、主訴は頭痛、タジキスタン語しか話せない。
 付き添いの方は同じタジキスタン出身の男性で、ちょっと癖のある英語とタジキスタン語しか話せない。
 しかも、付き添いの方には、トラウマがあった。
 過去に国立病院機構の病院と大学附属病院をたらいまわしにされた。
 いろいろ検査をして数十万円払わされた上に、なにも改善しなかったと訴える。
 昼休み返上で片言の英語で対応したけれど、お互い満足できる診療になったのかどうかわからない。
 タジキスタンにいたころは定期的に点滴と処方を受けていて調子が良かったんだが、とおっしゃる。
 調べてみると、定期処方はビタミンCとブドウ糖だった様子。
 もしかしたら、タジキスタンの食生活はビタミンCが不足しているのだろうか。
 壊血病がタジキスタン国内に蔓延しているのだとしたら、これは社会的な問題だ。
 輸液にブドウ糖とビタミンをいれて使ってみると、頭痛は良くなったけど吐き気が出たとか。
 
 このときの反省は、医学英語の単語を知っていてもあまり通じない、ということ。
 英語アレルギーの医師と非英語nativeの患者さんが、英語で分かりあうのって難しい。
 "nausea"(吐き気)や"vomit"(吐く)は通じなくて、"throw out"と表現していた。
 きっと、"throw up"(俗語で、吐く)と言いたかったんだろうな。
 "diarrhea"も通じず。
 結局、身振り手振りが一番有効だった。
 
 それから、治療の選択肢を説明する際に、"Can you give me a warranty?"と言われたのには閉口した。
 治療が100%効くかどうかの保証なんて、初診でいきなりはできないよ。
 精一杯知恵は絞ってるつもりなんだけど。

 頭痛なので、ということで、痛み止めを処方しようとしたら、
 "She needs not pain killer, but what the cause is."
とのこと。
 頭部CTを撮影して、少なくとも頭蓋内出血はないことを確認した後だけに、さらに原因を究明しろと言われると辛かった。

  

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2017年12月26日

おもてなし英語診療回顧録20171128



 今回の主役は、ルクセンブルクから別府にお越しになった30代の男性の方。
 
 まずはこれだけ、ルクセンブルク語で
 こんにちは=モイエン
 ありがとう=メルシ
 さようなら=エディ

 2017年11月下旬、ルクセンブルクからの観光客の方がご来院。
 屋久島に行ったら中耳炎にかかった。
 現地で抗菌薬と鎮痛薬、整腸薬を出してもらったんだけど、その後下痢が始まった。
 以下の点が聞きたいと。
 ①耳の痛みは若干残ってるんだけど、抗生物質はまだ飲まなきゃいけないのか
 ②鼻が詰まって困るんだけど、なんかいい薬はないか
 ③2日後にルクセンブルクに帰る予定なんだけど、耳の病気にかかった後で飛行機に乗っていいのか
とのこと。

 ①熱はないので、抗生物質はやめていいんじゃない?
 ②アレルギー性鼻炎かも知れないので、ステロイド点鼻薬でも使ってみようか
 ③幸運を祈ります
と大書した。
 何とかわかってくれたみたい。
 ③はそんな対応でいいのか、と言われそうだけど、これ以上どうしようもなかった。

 「英語耳」で挫折し。
 「ロゼッタストーン」も途中で滞り。
 2017年5月からは「NHK教育」の各種英語コンテンツを録音しては聞く(運転中はひたすらshadowing)の繰り返し中。
 僕の対応も少しはましになったかしら。
 2019年はラグビーワールドカップ、2020年はオリンピック、もう、すぐそこまで来ています。
 We should get better our communication skill, day by day.
  

Posted by tak at 01:17Comments(0)仕事

2017年12月26日

おもてなし英語診療回顧録20171225



 今日の主役は、タイから別府にお越しになった60代男性の観光客の方。

 まずはこれだけ、タイ語で
 こんにちは=サワディー・クラッ
 ありがとう=コップクン・クラッ
 さようなら=サワディー・クラッ

 12月24日はタイ国内で海鮮料理を楽しんで、25日から日本への旅行に出発した。
 到着とともに下痢が始まり、立ち寄る先でトイレに行きながらも、あちこちでおいしいものを楽しんだ。
 最後に食べたのは湯布院での昼食、鴨南そば。
 18時ごろになって、下痢が止まらないため救急要請。
 救急車でやってきたものの、歩いて診察室へ。
 受け入れ要請時の連絡ではタイ語しか話せないとのことだった。
 実際にはかなり流暢に英語を話せる。
 いつものように、受け入れ側の自分の方が英語がヘタクソで辛い思いをする。
 タイ語がちょっとだけ話せる現地添乗員兼運転手(日本人)が後から到着。
 日本到着後、10回以上下痢をしてるけど、吐き気もなければ腹痛もないし、熱も出ていないとのこと。
 診察しても特に問題なし。
 内服薬で様子をみよう、ということになった。
 明日からは熊本に移動予定、タイに帰国するのは12月30日。
 好きなものを食べてもいいか、との問いだったので、さすがに生ものは控えましょうと伝えると、寂しそうだった。

 添乗員の方がタイに問い合わせたところ、タイ国内で食べた生ものが原因と考えられるので、海外旅行保険の対象にはならないだろうとのこと。
 当然ながら全額自費診療となり、計15,000円程度なり。
 高いなあ、悪いことしちゃったなあ、と思ったけれど、診察と内服処方だけなのでこれ以上工夫することもできず。

 タイの方もきちんと英語は話せる。
 がんばんなきゃ。

 それから、企業努力の一環として、「ポケトーク」が使えるようになったんだけど、残念ながら使い方がよくわからず、今回は活躍の機会なし。
 暇を見つけて使い方を覚えよう。
 http://www.sourcenext.com/product/pocketalk/  

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2017年12月18日

マタニティー・コンシェルジュ



https://www.today.com/video/-maternity-concierge-offers-innovative-new-perks-for-parents-941351491765

 ラジオで英会話の勉強を始めて、半年以上たった。
 相変わらず全然聞き取れないし、話せない。
 けれど、分かったことがある。

 聞き取れないし、話せないけれど、文化を感じる。
 Oh, my god.がOh, my goodness.に変わっていたり。
 foreign studentsをinternational studentsと言ってみたり。
 HeとかSheとか言わずにTheyと言ってみたり。
 なるべく差別、区別をしないように、結構気を遣ってる。

 職場環境でも同じ。
 以前、何かのセミナーで、Johnson & Johnsonが女性活躍推進、多様性推進に努めていると、女性の執行役員の方が話していた。
 今聞いているラジオ番組には、Alex and Alexという架空の会社で働く人たちの会話が出てくる。
 たぶん、Johnson & Johnsonがモデル。
 最近の話題は、表題に書いたマタニティー・コンシェルジュ。
 産休・育休のことを、最近ではmaternity leaveと言わず、family leaveと言ったりするそうだ。
 産休・育休・介護休をひっくるめてのことばらしい。
 養子縁組をするときに、手続きのために休暇をとるときもこのfamily leaveに当たるのだとか。

 マタニティー・コンシェルジュは、妊産婦さんや、生後1年以内のお子さんを持つ社員を支援する専門職だとのこと。
 クリーニングを終えた衣服の集配。
 おすすめベビーカーの紹介。
 社外会議の会場予約。
 お子さんへのプレゼントの選び方。
 産後の体系を整えるためのフィットネスの紹介。
 などなど。
 
 いいですね、こういうの。
  

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2017年12月03日

電車通勤



 雨が降ると、途端に自転車通勤は危険になる。
 なにしろ自転車にはフロントガラスがついていない。
 ワイパーもない。
 タイヤが細く、簡単にすべる。
 何より、濡れる。
 というわけで、毎朝の天気予報のチェックは欠かせない。
 そして、大気の手触りにも、おのずと敏感になる。
 行きに降らなくても、帰るときに降っていたら、最悪である。
 自転車ルックで電車に乗るのほどイタい経験はない。
 カモフラージュのしようがない。

 というわけで、天気予報の雲行きが芳しくないときは、電車のお世話になる。
 自宅から最寄の駅まで徒歩15分、電車に乗って約15分、電車を降りて徒歩10分。
 駅での待ち時間を含めると、約45分の旅路である。
 自転車通勤にかかる時間とほぼ変わらない。

 田舎の電車なので、座れないのはやむをえないとしても、ぎゅうぎゅうのすし詰めということはまずない。
 それでも、電車の中での過ごし方にはそれなりに気を使う。
 万が一にも痴漢に間違われたくはない。
 片手は吊り革か手すりを握り、片手は傘を持つか、本でも携えて過ごしている。
 最近ではNHKラジオ第2から録音した英語番組を聴いていることが多い(いずれまた取り上げる)。
 年に何度か、抜き打ちで海外の方とやり取りしなければならないことがあり、必要に迫られて聴いている。
 半年くらい前のこと。
 タジキスタン語しか離せない人の話を、英語とタジキスタン語しか話せない通訳の人を介して聴かなければならないことがあった。
 本当に閉口した。

 これからのシーズンは、風邪やインフルエンザが怖い。
 何しろ電車の中は閉鎖空間だから、避けようがない。
 だから、この時期だけはポリシーを曲げて、お天気の悪い日は車で通勤する。
  

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2017年12月03日

通勤手段と職場選び




 仕事がらみのかたいブログばっかり書いていると疲れる。
 ブログの本来の目的どおり、単なる個人的な日記を書くことにした。

 といいつつも、今日はなぜ今の職場を選んだか、という話。

 約5年前、思い切って職場を変えたのには、いくつかわけがある。
 両親のこと。
 自分自身の体のこと。
 家族のこと。
 通勤のこと。
 もろもろ考えたとき、これらの望みをまとめてかなえてくれそうなのが、今の職場だった。
 
 地球温暖化で南極の氷が解けていくと騒ぎながらも、毎日自動車で通勤している人がいる。
 中国の大気汚染は深刻だと批判しながらも、毎日自動車で通勤している人がいる。
 ジムに通って運動しないと中年太りがひどくなるとぼやきながら、毎日自動車で通勤している人がいる。
 仕事で忙しくてたまにしか運動できないんだよねと、いつもエレベーターで移動している人がつぶやいている。
 ・・・おかしくない?

 私の父の兄弟は、ほぼ全て糖尿病を発症した。
 父が最初に脳梗塞で倒れたのは、ちょうど今の私の年頃だった。
 だから、いつ私も発症するだろうかと、びくびくしながら生きている。

 二酸化炭素の元になる化石燃料を燃やさずに、毎日運動をして生活習慣病にかかるのを遅らせて、なおかつ家計の支出を節約する。
 そのために私が出した結論は、自転車で30分以上の有酸素運動をした上で通勤できる職場を探すことだった。
 幸い、今の職場まではほぼ平地で、45-50分程度の自転車こぎでたどり着き、始業前にシャワーを浴びられる環境も整っている。
 通勤路の交通量が多く、路肩を走っていて事故(加害者側としても、被害者側としても)の恐怖を感じることはしばしばある。
 ただ早く走るだけではなくて、安全に走るスキルを、自転車通勤では要求される。
 そんなわけで、スピードを犠牲にしてでも、私は破損やパンクのリスクが低いマウンテンバイクを使っている。
 マウンテンバイクの草分け、Gary Fischerが私の愛車だ。
 今ではTREKに完全に吸収されてしまったブランドだが、私の愛車はGary Fischerのブランド名が冠された最後期のモデル。
 出来るだけ長く使いたい。

 また、自転車通勤を始めると、自然と四季の移ろいに敏感になる。 
 天気予報にも敏感になる。
 風向きにも敏感になる。
 極寒、雨降りや逆風吹きすさぶ中での自転車通勤は、人生の艱難辛苦の縮図である。
 それだけに、情報収集と準備は欠かせない。

 雨が降りそうなときは、電車で。
 電車通勤については、次回に。  

Posted by tak at 01:54Comments(0)仕事健康自転車電車